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夏の終わり

2010.08.31 (Tue)

チリンリン、と揺らめく風鈴


遊び場の向こう側は忙しなく


夢から覚めてしまったような淡い切なさが


心ここに在らずと渦巻いた


雲は黒く立ち往生


夕立は期待はずれ、流れ落ちた蜃気楼は


次は何処へと向かうのだろうか




知らぬ間にかけていた色眼鏡を通して


見てきた景色はどれも繊細で


触れることさえ難しかった


壊れかけの教室がついに崩れることはなく


幾度となく足を踏み入れていた


右奥の席に座る彼らはもういない


みんなみんな、脱皮してしまったのだから




果てしない水溜まりの上


笑い声だけが響いている


コンパスを失った濃い霧の中


難破船にすがり付くようにして


騒音から避難していた


くしゃみから始まるものが見当たらず


小細工することを諦めた




目が覚めても夢はもう少し続く


期待と憂鬱を鞄に詰め込んだ少年少女は


一体何を見て歩いていたのだろうか


ありふれた毎日が嬉しかった


変わりゆく世界には落胆した


変わらない世界にも呆れていた


彼らの頼みを引き受けて


遠くへ、遠くへ行ってしまおう


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テーマ : 自作詩 - ジャンル : 小説・文学

22:32  |  那由多の輝きをウタにして  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

dbBは死んだ

2010.08.28 (Sat)

夜の散歩に出掛けた際に


無数の小さな光たちは


私を少年時代へと連れていく


できるなら、ここへ来ることは避けたかったのだが


不意に遮っていったかつての残像は


無罪の色をしていた




つまらなかった平凡作業


気だるい目線の先は無人


許してほしいとはもう言わない


それは私も変わらないから


みえすいた嘘をついた貴方は


綺麗すぎる白だった


あからさまな言い訳をした貴方は


どうしてあんなに醜かったのだろうか


再び交わるというのなら


トラウマのひとつくらい持っていっておくれよ




開かれない同窓会と


砕け散った青春の面影は


ルールのせいにしてやってもよかった


信用していたガラスの空間は


ひび割れて腕を傷つけ続けた


責め立てるつもりはないけれど


影は今でも暗くなっていく




貴方はすでにこの世界にはいない


私もまたあの世界を離れて


何もなかったことにした


積もり積もっていた言葉たちは


遠くのあの日に腐り果てた


もうすでに空は青い


冷たい風が吹き始めるころには


思い出すことさえ退屈でありますように


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08:44  |  那由多の輝きをウタにして  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

バタフライ・エフェクト

2010.08.24 (Tue)

夜の海へ飛び込んだように


目の前の景色が滲んでいる


零れ落ちてゆく星を見上げれば


私はこんなにも小さい


打ち上げられた空き缶と海藻


錆に絡まる濃い色合いが生々しくて


気づけば思いきり蹴り飛ばしていた




その赤い目は何を見つめているのかと


化学工場に問いただしたところで


返事はいつもと変わらず煙草の脂臭さ


手で振り払うのさえ億劫だから


街の方へと歩こうか


点在する自動販売機の明かりを


街灯に見立てながら




熱帯夜、耳を傾けることが増えていき


夏はついに終わってしまう


何気ないあくびの後に


明日こそ夕立が降ればいいのに、と


相変わらずの静かすぎるスケジュール


糸がプツン、と切れたように


帰り道を失くした




重低音が遠くで聞こえている


ニュースキャスターが淡々と読み上げている原稿には


きっと何も書いてありはしない


青白い光に照らされたコンセントは


サイケデリックへの入り口


耳から全身を伝う振動に揺さぶられて


今、懐かしいゲームを思い出している


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22:54  |  那由多の輝きをウタにして  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

弱冷房

2010.08.22 (Sun)

時の価値を忘れてしまった代償に


時計しかない部屋へ閉じこもった


裏庭に咲いている白い花の名前を知らないから


切り捨てることの潔さを知ろうとすることで


丸くおさまると決めつけた


だから今、秒針の音がやけにうるさいのだろうか




気に入らないものを素因数分解してみて


最後に残る嫉妬の色は決まって


自分の好きな色だった


脆い心臓を隠しているのは


鋭利な骨と冷たい皮膚


左腕に走った痺れは


草むらで引っ掛かった蜘蛛の巣のように


柔らかく、焦れったい




重力にからだを預けて


小さな鼓動を聞いている


擦りガラスがガタン、と揺れて


かろうじて己がここにある


焦燥感に襲われて


肩を掻きむしることはもうないが


訴えかける悲鳴も秘密の暗号も


要らなくなってしまったようだ




誰かの呟きを暇潰しにする現在


他人事を深追いしてしまい


欲望が割れる音を聞いている


耳を塞いでも止まらない震え


夢見ることさえ馬鹿馬鹿しくて


自ら壊してしまおうか


口先だけの平行世界を


込み上げてくる高笑いを足場にしながら


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14:34  |  那由多の輝きをウタにして  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

回想する二時間

2010.08.16 (Mon)





人混みは嫌いだけれど


夏祭りとか花火大会は好きで


満員電車の中、ギシギシと


大きな荷物を運んでく


かつて見知らぬ踏切だったあの場所も


乗り換えの合図となって私を急かす


十人十色を思い知ったからなのか


前を向いて歩いてゆける




肯定できる場所ができました


不純物は零、水底を確認している


いつでも素直に笑えてます


自分を繋ぐ鎖の色はオレンジ


冷房の真下で溶けた痛み


時も、風も、星も


みんなそれぞれの速度で流れてゆくのだから




笑えなくなるほどに騒いだ夏


むしろ疲れるほどに眠ったら


幻だったと思いたくなっていて


古きと新しきが一直線に並んだと錯覚した


昔の自分に「バカ野郎」って言ってやりたくて


今をただひたすら生きている




立ち方の癖を映した窓ガラス


大人になりたくて背伸びをしてみたら


いつの間にか高校球児は年下だった


歪な笑い声と共に


制服はレッテルと成り果てる


聞き慣れたアナウンスの終わり


ペットボトルのお茶をちょうど飲み干した


さあ、故郷へ帰ろう


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22:27  |  那由多の輝きをウタにして  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
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